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2015.05.26 南沙諸島問題
南沙諸島に中国が飛行場を建設している。これに対しフィリッピンとベトナムが反対。米国も何度も中国に警告を発している。

a)数日前にケリー国務長官が北京に飛び、再度警告を習主席に発した。これは最後通牒のようだった。カーター国防長官は最近、岩礁の12海里内に米軍の偵察機や艦船を投入することを検討するよう、海軍などに指示した。12海里内は国連海洋法条約に基づく領海にほかならず、そこで米軍の艦船などを活動させることで、人工島の周辺は「中国の『領海』でも『領空』でもない」という、軍事的なメッセージを送ろうというわけだ。

b)5月25日、中国共産党系メディアは、同国と周辺国が領有権で対立している南シナ海問題に関し、米国が中国に人工島建設の停止を要求することをやめなければ、米国との「戦争は避けられない」とする論説を掲載。人民日報傘下の環球時報は論説で、人工島建設作業を「最も重要な結論」と位置付け、中国は作業を完了させる決意である、と述べた。米国は、南シナ海での中国の動きを警戒し偵察機を派遣。中国は前週、これに「強い不満」を表明。環球時報は、中国として米国と戦うことも考えて「注意深く準備」すべきと指摘。「もし、中国が(建設)活動を停止すべきというのが米国の主張ならば、南シナ海での米中戦争は避けられない」とし「対立の程度は、世間一般で『摩擦』と評価されるよりも深刻になる」と述べた。中国国営メディアの論説は必ずしも政府の政策方針を示すものではないが、政府の意向を反映しているとみなされる場合もある。この程度のことは中国は言うでしょう。これで米国が手をひけば男が廃る。この程度の警告で腰が引けるようでは、将来の尖閣やインド洋での中国の進出を米国は許すことになる。断固とした措置が必要。皆、米国の対応をジッとみている。

c)投資家のソロスがここまできたら米中の戦争だと煽っている。ここで一儲けしようとの思惑が働いている。また元CIA長官?かも同様の趣旨のことを言っている。

2015年5月26日:中国 南沙諸島で灯台の建設開始発表
中国政府は5月26日、南シナ海の南沙諸島で大型の灯台の建設を始めたと発表、 一連の埋め立てが平和利用目的だと強調する狙い。国営の新華社通信は、交通運輸省が26日、南沙諸島のクアテロン礁で灯台の起工式を行ったと伝えた。26日とは急ですな、慌てて式を上げた。米国が来なければ、また軍事施設を構築し続けるという算段でしょうね。灯台はクアテロン礁に加えてジョンソン礁にも建設し、いずれも高さ50メートルで、照明の光は40キロ沖まで届くように設計しているということ。これについて、中国外務省の華春瑩報道官は26日の記者会見で、「中国による灯台の建設は国際的な責任と義務を果たす重要な措置で、この海域を通る船舶の誘導に高い効果があり、南シナ海の航行の安全性が大いに向上する」と述べた。南沙諸島の浅瀬の埋め立てについて、 国際社会では中国が新たな軍事拠点を構築しようとしているという見方が出ている。中国政府としては、灯台の建設開始を発表することで一連の埋め立てが平和利用目的だと強調する狙いねらい。南沙諸島で中国が浅瀬の埋め立てを拡大させていることについて、中国国防省の楊宇軍報道官は「主権の観点でいえば、中国が南沙諸島で展開している工事は全国各地で行っている工事と何ら変わりはない。南沙諸島での建設工事は軍事防衛機能の必要性を満たすためであり、民間が求めるサービスのためでもある」と述べて、埋め立てを正当化し、国際社会の懸念や批判は当たらないという立場を強調しました。
巧妙に観点を逸らしている。米国がこの程度の策略に騙されるか、どうか。米国の出方が注目されている。

2015年5月26日:「中国は小国イジメはしない?」
中国外交部の華春瑩報道官は26日に北京で、「フィリピン側の一部の人間が最近、南シナ海問題で活発に動いている」と述べた上で、 「中国は小国いじめはしないが、小国も理由なく騒ぎ立てるべきではない。フィリピン側がただちに挑発行為を止めるよう求める」と強調した。26日付で国際在線が伝えた。フィリピンのアキノ大統領は25日、同国の哨戒機は南シナ海の紛争海域での定例飛行を続けるとし、「中国は小国いじめをすべきではない」と述べた。同国のガズミン国防相も「カーター米国防長官との会談で、さらなる支援を求めたい」と語った。これに対し、華報道官は記者会見で、「フィリピンの一部の人間が最近、南シナ海問題で活発に動いているが、中国側の立場はすでに明確に述べている」と指摘。「フィリピン側に好意で忠告したいのだが、中国は小国いじめはしない。だが、小国側も理由なく騒ぎ立てるべきではないと思う。フィリピン側がただちに挑発行為を止め、話し合いでの問題解決という正しい軌道に戻るよう求める」と強調した。
また問題を2国間に逸らしてますな。

2015年5月27日:フィリピンやベトナムの措置 5月27日
南シナ海での中国の強引な海洋進出を巡り、フィリピンやベトナムなど利害関係国が対抗姿勢を強めている。
フィリピンと米国は27日、ハワイで国防相会談を行い、南沙諸島での中国による岩礁埋め立ての中止などを求めていく方針を確認。一方、ベトナムは同諸島内の実効支配地域で埋め立てを行っている。各国の対立は今後、一段と深刻化する恐れがある。
いち早く訴え フィリッピン
フィリピンは、中国による埋め立ての写真を昨年5月に公表するなど、南シナ海問題をいち早く国際社会に訴えた国だ。東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会合などでも理解を求めてきたが、中国から経済的な影響を受ける国が多い中、「連帯」の機運は高まっていない。
そうした現実にしびれを切らしてか、フィリピンは最近、具体的な行動に出始めた。デルロサリオ外相は3月末、実効支配する同諸島パグアサ島(英語名はティトゥ島)にある滑走路を補修する可能性に言及。今月11日には、国軍のカタパン参謀総長が同島を訪れ、駐留部隊を視察。「島は我々の管理下にあり、守らなければならない」と述べ、兵士らを激励した。
27日の米比国防相会談では、南シナ海問題への関与を強めるという発言を米国側から引き出した。カーター米国防長官は、「全ての紛争の平和的解決と、全ての当事者による即刻かつ永続的な埋め立ての停止を望む。係争地のこれ以上の軍事化にも反対する」と語った。
正当性を強調 ベトナム
南沙諸島のウェストロンドン礁など少なくとも2か所で埋め立て工事に乗り出したのがベトナムだ。米戦略国際問題研究所が今月公開した衛星写真で明らかになった。ベトナム外務省のレ・ハイ・ビン報道官は14日の記者会見で、「ベトナムには議論の余地がない主権がある。古い施設を改修する目的の活動で、現状を変更するものではない」と工事の正当性を強調。さらに、「ベトナムの主権を侵害する全ての行為には強く反対する」と述べ、中国を改めてけん制した。

2015年5月27日:埋め立て領有権の根拠にならず=米国
カーター米国防長官は27日、中国が南シナ海の南沙諸島で進める岩礁の埋め立てに関し、米軍の航空機や艦船は造成された人工島の12カイリ(約22キロ)の範囲にとらわれず、周辺での活動を続ける意向を示した。ハワイからシンガポールに向かう機中で同行記者団に語った。国際法は海岸線から12カイリを領海・領空と定めている。カーター氏は「米国は国際法上認められる場所なら、どこでも飛行し、航行する」と断言した上で、「12カイリ(の領海・領空)は水面下にあるもの(岩礁)に付属するものではなく、(埋め立てにより、)現在は水面下にはなくとも同様だ」と述べた。人工島は領有権の根拠にはならないと強調するとともに、12カイリ以内でも米軍の活動は妨げられないとの見方を示したものだ。

2015年5月29日:埋め立て地に兵器
周辺国が島などの領有権を争う南シナ海で、中国が埋め立てて造成した人工島に兵器を設置した、とオーストラリアのメディアが27日、報じた。豪州当局者は今後、長距離レーダーや対空砲、偵察用航空機が配置され主要海運路が中国の軍事的な影響範囲に入ることを懸念しているという。米国務省のラスキー報道部長は28日、兵器導入には明確に言及しなかったが「領有権問題がある区域の軍事化に反対する」と発言。南シナ海での中国の行動は「非脅迫的な方法で対立を解決するとの周辺地域の合意に反する」と批判した。豪紙シドニー・モーニング・ヘラルドによると、兵器導入を受け、豪軍幹部は日本やマレーシアなどと連携して、問題海域での航行、飛行や演習などを行って中国に対抗する選択肢を検討。豪情報機関も中国の脅威評価を改定し、「現状を容認すれば中国が強制力を増し、領有権問題のある地域への出入りを規制するようになりかねない」と警告する見通しという。同紙によるとオーストラリアのリチャードソン国防次官は27日、「中国軍の規模と近代化を踏まえると、軍事目的の埋め立ては特に懸念される」と述べ、南シナ海情勢を問題視する姿勢を強調。オーストラリアは7月、米国と続けてきたアジア太平洋地域で最大規模の軍事演習「タリスマン・セイバー」を実施する。日本の自衛隊も初参加し、上陸や空挺作戦など実戦的訓練を行う予定だ。一方、ラスキー報道部長は、カーター米国防長官が27日の演説で中国に埋め立ての即時中止を求めたことに触れ、事態の平和的解決を呼びかけた。一方で、米国は中国が埋め立てた岩礁付近の航行、飛行は「国際法が許す限り継続する」と改めて述べた。米国は水面下の岩礁を埋め立てた人工島には国際法上、領有権は認められないと主張している。米軍が最近、南シナ海の南沙諸島付近に哨戒機を飛行させた際、中国海軍は「軍事警戒区域」に接近していると主張して即時退去を求めるなど、外国軍の接近を拒否する姿勢を強めている。

2015年5月31日:軍事埋め立て明言
中国人民解放軍の孫建国副総参謀長は5月31日、シンガポールのアジア安全保障会議で講演、南シナ海での岩礁埋め立ては「軍事、防衛上の必要なニーズを満たすため」と述べ、軍事目的が含まれていると明言した。岩礁埋め立てについて、中国軍幹部が公の場で軍事目的に言及したのは初めてとみられる。彼は、埋め立ては「中国の主権の範囲内であり、完全に道理にかない合法だ」と主張、米国や日本が介入しないようけん制。カーター米国防長官と中谷元・防衛相は30日に埋め立てに懸念を表明し、カーター氏は「即時中止」を要求していた。中国側は「米国が南シナ海問題で対立をあおり立てている」との主張を周辺国などに展開、米国を排除した新たなアジアの安全保障秩序の構築へ向け、環境づくりを図りたい思惑もある。(共同)

2015年6月5日:ベトナムツアー企画
ベトナム当局は6月5日までに、中国などと領有権を争う南シナ海の南沙諸島を巡るツアーを試験的に行うことを決めた。実効支配をアピールするのが狙いとみられ、関係国の反発を招きそうだ。南部ホーチミン市のウェブサイトによると、ツアーは国営旅行会社サイゴンツーリストなどが実施。6月22日に180人乗りの客船がタンカンカイメップ港を出港し、5泊6日でチュオンサなど2島2岩礁を訪れ、軍事施設や慰霊碑、仏閣などを見学する。航行距離は約1400キロで、参加費用は1750万ドン(約10万円)。一方、中国は西沙諸島のクルーズツアーを2013年4月から開始。ベトナム外務省は「深刻な主権侵害」と反発している。また、ベトナムとフィリピンの海軍は5月、フィリピンが実効支配する南沙のノースイースト島で、サッカーやカラオケ大会で交流。軍事力ではかなわない中国をソフトながら強くけん制した。なかなか面白い展開になってきた。

2015年6月9日:マレーシアでも
マレーシアのカシム首相府相は6月8日、ボルネオ島北方の小島や岩礁がある海域に中国公船が侵入、停泊したとして、「外交措置を講じる」と述べ、抗議する方針を示した。ナジブ首相が習近平国家主席に直接、問題提起するという。南シナ海の南沙諸島をめぐる領有権問題で、中国と激しく対立しているフィリピン、ベトナムに比べ、マレーシアは穏健に対処してきたが、姿勢を変える兆しとみられる。
旧ソ連に始まり、中国、キューバ、ベトナム、北朝鮮等に波及した。その本質、そこから得られる帰結とは何かを問う。

その思想を支配するのは、弁証法的唯物論、裏を返せば無神論。これはコインの表と裏で、「唯物論・無神論=公理」となる。人間はモノによって規制されるとみる。無神論からは、言葉が先行し、「物的合理性=帰結1」に走る。「小説の神髄2」でも述べたように、人間存在は非合理にある。しかも非合理は人により多様。それを受容して芸術は成立する。だから共産主義では「芸術は育たない=帰結2」ということになる。理想と矛盾するが共産主義を主導するのが共産党で民主主義を容認しない、これが理解に苦しむところ。「共産党一党支配=帰結3」となる。

a)旧ソ連
ロマノフ王朝期、音楽や芸術で花開いたのに、旧ソ連では芸術はさっぱり。例外的にロシアのバレーなどでは今も健在。元々、共産主義には合わない民族、森の詩人チャイコフスキーに代表されるように、感情豊かな民族。崩壊してよかった。唯物の国が経済の疲弊で崩壊したのは皮肉。いまだ共産主義の残滓がある。

b)中国
毛沢東、周恩来など古き中国の影を感じたもの。彼らは共産主義の教育を受けて育った訳ではない。田中角栄と当時の周首相は手が千切れんばかりの握手をしていたのを思い出す。この人のいる中国なら信頼できると思ったもの。その後、鄧小平がパリから帰国、中国を率いるようになって傾いてゆく。天安門事件。今の政権、共産主義の教育を受けて育った世代で物欲の塊のように映る(帰結1)。文革で知識人を一掃。前の首相、温家宝など清廉のように見えるが単純な機械論者。胡錦濤など市役所の助役のようだった、こつぼい人物。習近平も中小企業の社長レベル。

追記(2015年6月11日):中国共産党崩壊論
3月に発表された、中国肯定派の学者による中国崩壊論が、「今度は本物か?」と識者に衝撃を与え、ネットやメディアでいまだに話題となっている。これに対し中国メディアは、西側のご都合主義と不満を露わにしている。
/中国通から驚きの崩壊説
ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)に、『来る中国の崩壊』と題した記事を寄稿したのは、ジョージワシントン大学の国際関係の教授で、中国政策プログラムのディレクター、デービッド・シャンボー氏だ。ウェブ誌『Slate』は、「共産党崩壊寸前」説は目新しくもないとするが、以前から中国共産党の強さと適応力を強調してきたシャンボー氏のような学者の口から、このような大胆な話が飛び出したことが、中国ウォッチャーに驚きを与えたと述べる。皮肉にも同氏は今年1月に、中国外交学院からアメリカで2番目に影響力のある中国専門家に選ばれている。
/5つの兆候
シャンボー氏は記事の中で、政権のぜい弱性と党の組織的弱さに関する、次の5つの兆候を提示している。
1.中国の経済的エリートは、共産党システム崩壊を恐れ、海外に逃げる準備をしており、子弟を海外で学ばせ、市民権獲得のため子供を米国で出産し、海外で不動産を買いあさっている。
2.習主席は政治的抑圧を強めており、民主主義など、西側の普遍的価値を信任するものの洗い出しを行っている。
3.多くの体制支持者でさえ、そのふりをしている。プロパガンダは力を失い、指導者は裸の王様状態だ。
4.汚職は政府や軍のみならず、中国社会にはびこっている。腐敗撲滅運動が進められているが、汚職の摘発が権力闘争につながっており、恣意(しい)的な選択による粛清となっている。
5.中国経済は停滞し、「体制的なわな」にはまっており、安易な出口はない。消費は増え、官僚主義も減り、財政改革も導入したが、経済改革は既得権益を守るグループに阻まれている。
同氏は、解決には政治改革しかないと主張。しかし、習主席が恐れているのはソ連のゴルバチョフの二の舞になることで、解放よりも、統制を強めていくだろうと見ている。
/中国メディアはほぼ否定的
『Slate』 は、シャンボー氏の記事に対し、中国国営メディアは脳卒中寸前と表現。人民日報傘下の『Global Times』は、すでに晩年を生きる同氏が「日和見主義者の仲間に入った」とし、「威厳を持ってふるまい、意見はよく考えるべき」と助言した。同じく政府系のチャイナ・デイリーは、同氏が中国のポジティブな側面を完全に無視し、偏見を持って見ているとし、典型的な米メディアの書き方だと批判した(Slate)。
ただし、中国の改革派歴史家、チャン・リーファン氏のように、シャンボー氏の意見を理解する声もある。ドイツの報道機関DPA通信に対し、チャン氏は「習主席は権力を集中させ、反腐敗キャンペーンを続けており、大きな危機に直面している」とし、「もし失敗すれば、結果は政権の手に負えないものとなるだろう」と述べている(Slate)。
チャイナ・デイリーに寄稿した、アメリカのICA研究所のリサーチ・ディレクター、ダン・スタインボック氏は、経済に関しての中国崩壊論に言及。崩壊論は、西側の経済が落ち込むと出てくる話題だと述べた。崩壊論者が根拠とする経済成長の停滞は、大きな絵のなかの一部にすぎないと説明。西側の政府と中央銀行では打つ手がなくなっているが、中国にはそれは当てはまらないとし、経済崩壊はないという認識を示した。
/崩壊なしでも困難は続く
『Slate』は、世間一般の通念として、文化大革命、天安門事件などの危機を乗り越えた共産党は、新たな困難を克服するため、強く、抜け目ないままだと述べる。同誌はシャンボー氏の警告は真実であり、香港民主化運動や環境汚染等の、指摘されなかった問題も多くあると指摘。党は崩壊の危機にはないが、プレッシャーはかかっている、とまとめている。

c)ドイツ
メルケルの率いるドイツ、閣僚の中にも同志がいるに相違ない。哲学の国、ドイツで哲学が滅びたのは久しいが、東ドイツ出身のメルケル、多分共産主義下で育てられた。唯物論者で無神論者。物欲に支配されて中国に急接近している(帰結1)。AIIBへの参加も英国に促したかの報道があるくらい。情けないドイツに成り下がった。東西ドイツの統一が招いた悲劇の一端がある。バッハは旧東ドイツだが、もちろん唯物論ではなく、心豊かな作曲家、心の襞が分かる人、音が心の襞に浸み入る。

d)キューバ
最近、米国と国交正常化に踏み切った。カストロも晩年になり、こうした国家建設が誤りであったと反省したに相違ない。自分自身ではできないので、議会議長の弟に印籠を渡して自分目の黒い内に、米国と国交を結んだのだろう。国内の港に中国の艦艇の停泊を許していたが、急遽艦艇の停泊はまかりならぬと拒否。あらぬところで中国は余波を受けた。

e)先進国の左翼
日本や先進国の左翼はどうか。物質的に豊かで物欲の塊ではない。しかし公理である唯物論=無神論は切っても切れない関係。日本共産党も内部は階級組織で不破哲三が未だ君臨している。だから東大関係者が多い。和気藹々に酒を酌み交わすような雰囲気ではなく、極めて官僚的な組織だろう。英国で二大政党制が崩れ、労働党の支持基盤がゆらいでいるのも事実。これは世界的傾向だろう。皮肉にも米国では民主党の支持が多く、共和党で魅力ある人物が少ないのは時代の反映か。

何時、こうした間違った国家形態が世界から消えるのであろうか。その時、初めて真の平和が訪れる。その結果として米国の存在は薄れる。

2015.05.18 小説の神髄2
以前に、「小説の神髄」で夏目漱石を取り上げたことがある。当時、まだどうも小説と言うのは不明なものであった。少し小説に近づけたかと思う。

a)神髄
大前提として、人間存在は、合理性や効率性を超えたところにある、つまりは非合理的存在。人間は誰も、非合理的なものを心に抱え込んでいる。これが現実とぶつかり合うところに生の悲劇が生まれる。そこを解くのが小説の役割。学問と言うのは合理性の産物で、学問からみた生の姿は奇異に映るだろう。しかしそれを奇異として記述すると小説は芸術ではなくなる。よい例が、中村光夫も言うように、芥川。その目は冷めすぎて虚無。芸術を目指したが芸術にはなりえなかった。だからあのような結末を迎えたと言う。

b)家族
人間は共同体に生きる。共同体の最小単位が家族。その家族は、言葉が合理性に向かうことから、家族とすら上手く行かなくなる。家族は人権によってバラバラに切り裂かれてゆく。そこの葛藤を描くのが小説の役割。

c)歴史性
歴史は合理性に向かって長いタイムスパンでは進むが、それぞれの時代に、個々人はそぐわない面を抱え持つ。それを吐露するのが小説の世界。時代は変わっても同じ。

元々、人間が非合理的存在なので、合理性では割り切れない側面をもつ。非合理性と合理性は対照的な存在。その間には深い谷が横たわっている。その谷間を描くのが小説、谷間の苦悩を描くのが小説の役割。

2015.05.18 橋下徹:総括
大阪都構想は分からないので、賛成でも反対でもない。その都構想も昨日潰えた。考えるに、大阪府と大阪市と二重行政と言うが、どこも同じで県と市ではダブルのではないか。京都府と京都市、神奈川県と横浜市も同様。

a)スタート
元は弁護士。早稲田と言うのは、マスコミに幅を利かせているので、どのような伝手か知らぬが、テレビにでるようになる。他にもこの手のタレントがゴマンといる。元は弁護士なので歯切れがよく、人気者になる。法律と政治は隣り合わせで、何れも支配装置を提供する学問。だから法律から政治に関心が行くのは当然。

b)舌禍
元がタレントだったので、面白可笑しいことを言うので、記者のぶら下がりが多い。どうしてもサービスの積りで色々と言ってしまう。最大の舌禍は、慰安婦問題。これで女性の支持を失った。政治家はタレントではないので、慎重に話さないといけないのに、どうも思ったことを直ぐに口に出してしまう。隠し事ができない。これが政治生命を断つことになる。以後、人気は下降線を辿る。

c)影響
石原慎太郎は維新の党に合流したが、橋下と橇が合わずに離散。年もさることながら、あれで政治生命を奪われたのではないか。他にも維新に関係した政治家はマイナスのイメージを引きずって今後生きることになるだろう。

今後本来の弁護士に戻ると言うが、マスコミは事あるたびに、彼の意見を求めるだろう。サービス精神はあるので、面白おかしく弁舌を振るうに相違ない。そちらの方が橋下には向いている。
アムステルダム大学名誉教授(ジャーナリストと思っていたが、大学教授?)のカレル・ヴァン・ウォルフレンの、今の右傾化?を促しているのは、左翼の無責任があるという説には半分賛成。

a)右傾化
今の政権が右傾化といえうるのかどうかは判断の別れるところ。右傾化という用語は、中韓あるいは、米国が、日本が政治的に強くなることを懸念した時に発して抑えつけるための政治的用語と思っている。それなら中国の政権は共産党だから左翼であるが、していることは右傾化ではないか。中国が推し進める「一帯一路」は、戦前の日本の大東亜共栄圏を彷彿させる、もっと広い範囲に広げようとするものだ。国境があって国益がある限り、国を守る必要がある。沖縄が仮に独立をしようとする時、「はい結構です、勝手に自由にしてください」とは行かないでしょうに。そんなことをすれば、つぎは九州、そしてドンドンと東進して関西までということになる。

b)左翼の無責任
カレル・ヴァン・ウォルフレンは、30年以上にわたって日本政治を研究、「権力構造の謎」、「人間を幸福にしない日本というシステム」をはじめ数多くの話題作で既に有名。週刊ポストのインタビューで「最近の日本の右傾化は夢物語ばかり語って来た左翼の責任だ」と指摘。この点は全く同感。戦後日本では左翼が理想論ばかり唱えて現実的な対案を出せなかった。作家の大江健三郎氏や社会党の党首を務めた土井たか子氏が象徴的な存在という。土井の前に石橋政嗣という社会党委員長がいたが、教員上がりの堅物で、「非武装中立論」を堂々と唱えていた。共通するのは、現実をみようとせずに、反対論だけに終始している。社会科学的思考が欠如していると言える。少しでも軍事力を持てば日本が戦争に突き進むと短絡的なモノを言う、そんなことはないでしょう。戦争をしないために防衛をする。

文学をするような素人な人間が政治に軽々しく口をだすなと言いたい。今回も映画人の宮崎駿が辺野古移設反対の共同代表になった。文学人や映画人が口をだすと何か高級なことをしているかのような幻想に陥っている。ならばもっと精緻な論議を聞いてみたいものだ(特に大江には国際政治論を披瀝してもらいたい)、単発的にモノを言い、直ぐに引っ込む卑怯な人間。